連載小説
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彼氏

今日は、デート


いつも以上に気合い入れて、頑張ります!!









朝の10時、

小さな都会で待ち合わせ



…ヤバイ、20分も前にきてしまった


早く行きたくて、早く来たけど…

早すぎました…



とりあえず、待ち合わせのあの店に行くか。





…誰かいる。

誰だろう?



この季節になるとカップルも増えるのかな。

この店、待ち合わせ場所にするといいこと起こりそうな気もするんだよね…


あそこで待ってる人も

私と、同じ考え………




!?!?!?

良 がいる!?

嘘、なんで!?


20分も前よ…?

いつからいるの?

バカじゃないの!?

って、私も人のこと言えないんだけど…


「りょ、良!!」


「あれ?もう10時?」


「まだだよ!!いつからいるの!?」


「んー…さっき」


「嘘だ」


「いや、本当。ここに来たのは、さっき」


「本当?」


「うん」



…予定より20分早めのデート始まり

























「わぁ、可愛い」


「このネックレス?」


「うん!可愛いくない?」


「いや〜…値段が高いわりには、すげーちっさいけど」


「でも可愛い!!」


「そう?」


「うん!!」


と言うと


「あ、腹減ったくない?いい店知ってるよ」


「どこどこ?いきたーい!!」

話しをそらされてしまった…


まぁ、あのネックレスを買ってもらおうなんて

私には、10年早いね。


そもそも、値段が…ね?

無理な値段だよ…


バイトしててもこれ買ったら、ヤバいわ。


大きくなってから、買おうかな〜


















「いらっしゃいま…朝のお方じゃないですか!!」


「あ、どーも」

朝の…お方?


「さ、さ、入ってください!」


仲がいいの?

どうゆぅこと…?



「良、朝ここに来たの?」


「うん」


「朝ごはん食べに来たの?」


「いや、涙 をもてなすデートプランを考えにきた」


「え!?」


「6件回った中で、ココが一番いいかなって」

6件!?

そこまでしてくれるなんて…


「他…は?」


「まだまだあるよ。楽しみにしといて」


…もぅ、優しい。

男の人って皆こぅなの? 


それとも

良 が特別優しいの?






「ミルクティー美味しい!」


「…そんなに?」


「うん!ヤバイくらい本当に美味しい!!」


「じゃあ、一口ちょーだい」

…え?

一口ちょーだい…?


間接キスをしろ…と?


む、無理だよ!!恥ずかしすぎる!!!


いや、でも…

プラスは、私の友達だけど、ペットボトルを回して飲んだりする…

それは、ある意味、間接キスで…


良 も友達だし…

意識しなきゃ、いいんだよね?

ただの回し飲みだと思えばいい。


「…はい、…どう?」


「うまい!!涙 が飲んだ後だから?」


「へ、変態!!」


「ハハハ、確かに。今のは変態発言だったわ。ごめん、ごめん」

も〜…

良のバカ…

私、変態発言に照れちゃったよ…







































「あー!!歩き疲れた!!」


カフェをでて

ゲームセンターや服屋さん

いろんな所をまわったから


足が痛い。


こんなに歩いた事はない…


「あー!!だいぶ歩いたね」


「だね〜」


「……」

「……」


会話がない



…ダメだ。

疲れたから、話題が見つからない…





「なぁ、涙」


「…ん〜?」


「涙 の事いろいろ教えて」


「…え」

い、いきなりそんな事言われても…。

後じゃダメですか?


喋る力もありません。


「…トイレ行ってくるから、その間、自分の事考えといて」


…良の優しさなのかな?


確かに、いきなり言われても何言っていいか分からない。


だから、考える時間をくれたんだと思うけど…



ごめん、良。

私、話す気も、ありません。

疲れてるからね。



まぁ、考えとくか…








…あれから10分。

まだ戻ってこない。


まさか、大便してるの?


それとも、何かあったのかな…?



大丈夫だよね。










「お待たせ〜」

よ、よかったぁ。

無事だった。


と言うことは、大便だったのかな?


「おい、涙。大便したとか思ってる?」

あら、バレた?


「うん」 


「大便じゃないから!トイレがどこにあるか分からなかっただけ!」


「ダサい」


「うるさいなぁ」


アハハハ

可愛い。


良 って本当に

おっちょこちょい。


良 の事よくわからないとか思ってただけで、実はよく知ってるのかも


だって、私が思った通りの人なんだもん。




「考えた?」


あ、そうか。

忘れてた。


良のことが心配で、自分の事なんて…

なにも考えてなかった。



と、とりあえず

「高校2年、涙 です。コンビニでアルバイトしています」


「全部、しってる」


「えーっと…以上です」


「なんだよ〜、せっかく時間あげたのに〜」


「時間って…良 が遅くて、心配だったから、何も考えれなかったんじゃん!」


「心配してくてれたんだ?それは知らなかった」


「…」


「…じゃあ、俺の番ね」


「うん」


「高校3年、部活はしてない。夢は田舎に交番を建てること」


「…え?田舎に交番?」


「そう、田舎」


「なんで、田舎?」


「田舎にだって、事件は起こるし、むしろ田舎の方が起こりやすいから、あえて田舎なんだ」


「へぇ〜」


「俺が、パトロールすんの。自転車乗ってさ」


「似合うかも」


「ありがと。…これ、内緒ね。ダチに言ったら、バカにされる」


「確かに。バカにしそう」


「そーいや、涙、夢ないの?」


「ない。でも決めなきゃだよね〜」


「早い内に決めとけよ?」


「分かってるよ〜」



なんて、話してると

疲れが取れた。



「そろそろ、行く?」


「行くか。次でラストね」


「お、ドコに連れてってくれんの?」



良 に連れてこられた所が

魚がたくさんいる池。


なぜココなのか…?


「涙、魚に餌あげれるよ!」

…、良 楽しそう。


「あげてみようかな」

嫌いじゃないからいいけどね。

って、私、上から…

まぁ、いっか。


「餌、取ってくる!!涙は、ココで待ってて」

優しいなぁ。

まだ私が疲れてるとでも思ってんの?

お人好しなんだから…









「魚、可愛いね」


「だね」





…あれ?

なんだろう。


餌の中に、あきらかに餌じゃない物が入ってる。


…なにこれ?

箱?


「良、なんか変なの入ってる」


「本当だね。…開けてみれば?」


「…うん」



嘘でしょ


あのネックレス…

結構高いやつ…


なんで、バカじゃないの!?


「良!!」


「ヘヘヘ、嬉しい?」


「嬉しいもなにも…どうしたのコレ!!」


「トイレ行くって言った時に買った」


「トイレ探しに行ってたんじゃないの?」


「バカか。俺は、朝デートプランを考えるために、どれだけ歩いたと思ってんだ。迷うわけないじゃん」


…そうだ。

私、疲れたから、喋る気力もないとか言ったけど


私より、遥かに疲れてるんだよね、良は。


良 の優しさに私、感動…


「え、泣くほど嬉しかったの?」


「嬉しいよ、ありがとう〜」


「分かったから…泣きすぎじゃない?」


「うぅ……。ネックレス…つけて?」


「…ん。かしてみ」


首に手が触れて、ドキドキする。



「涙、俺の事好き?」


「…え」


「いや、嫌いなら別にそれで、いいんだけど」


「嫌いじゃないよ」


「じゃあ、好き?」

…好きって言えば、告白になる。


いっか。

この際、告白しちゃえ!!


「好き…」


「…こっち向いて」


良に、つけてもらったネックレスが

揺れる






「付き合おう」

正面で言われて、目がそらせなくて


良 の目は真剣で


「はい」

と、返事をすると


ソッと私にキスをしてくれた。
14/12/25 02:10更新 / プラス
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■作者メッセージ
…餌の中に、ネックレスって 笑


私、話し聞いててツッコミました。

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