連載小説
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「お話」8.
「周りから避けられる私と、まだ一緒にいてくれた人なんて、何人かしかいなかった。

…山本裕里ちゃんも、そのうちの一人。

裕里ちゃんは、私が何も喋らなくても勝手に話してくれるから、ある意味気を使わなくて楽…。
それに、相談相手にもなってくれる。

私と齋藤先輩の事を一番応援してくれてた人だと思う。

だから、その分、齋藤先輩がいなくなってしまった事は、裕里ちゃんにとっても、私と同じぐらい悲しい出来事だったみたい。

裕里ちゃんは、なんとかして私を笑わそうとしている気がする。

自分も辛いはずなのに。
あの日から全く笑わなくなって、口数も極端に減った私を、元気付けようとしてたのかもね。

けれど。ごめん。どう頑張っても、私はもう笑えない。
作り笑いも、できない……。


…最近やっと気がついたのかもね。
今まで私の心を埋めていたものを、失って初めて、私の中で先輩がどれだけ大切だったかを。

こんなに…私を支えてくれて…。笑顔をくれていたこと。

気が付いたんだ。
先輩の存在は、私の中では予想以上に大きかったんだって。

私は……先輩がいないと。
何もできないぐらい…弱かったんだって。」
14/06/11 23:11更新 / 美鈴*
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