連載小説
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「お話」27.
「【今思うと、自分では退屈だって思ってた日々も実は幸せだったんだって気付いたよ。

人って愚かだな。
毎日が幸せすぎるとそれが当たり前になって
それを幸せだと感じなくなる
そしてまた、更なる幸せを求める……
けれど、俺もまた、そんな人間の一人だったんだよな…

口ではあんなこと言って、
やっぱりあまりわかってなかったのかもな。】

【松崎さんは今…幸せに生きてる?

俺がこんなことになったのは、自分のせいだと責めてないよな?
松崎さんって、変なところで責任感強いから、そこがすごく心配。

松崎さんは悪くない。
たまたま、松崎さんがそこに居合わせてしまっただけ。

だから、自分を責めるなよ…】

『由紀ちゃん、大丈夫…?』
後ろからいきなり聞こえた声に私は驚いて後ろを振り向いた。
そこには、私の友達の裕里が立っていた。
『由紀ちゃん…泣いてるの…?』

…え……?
気付かなかった。
先輩からの手紙を読んでいるうちに
いつの間にか涙が溢れて止まらなくて…

『由紀ちゃん、辛いんだったら、帰った方がいいよ…?』
ここは、思い出が多すぎるから。

そう心配する裕里をよそに、私は無理矢理微笑んで、
『大丈夫。』
と一言だけ言って、楽器を取り出した。」
14/06/30 22:10更新 / 美鈴*
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