読切小説
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TVで視た糸魚川のイメーヂ
川原で小石あさる夢。つまんでは捨て繰り返す。若いウエスト痛んでも拾ひ続ける彼女の気持ち,青空も曇って来る。風も川面を逆なで,彼女の髪の毛ふき乱す。雑種とか言はれた頃もあった。砂粒か,茶色い瞳まばたいて見あげ,雨が降り出しても探し続けるか迷ふ。耳ふきさらす音より重い響き感じて振り向くと,若い男が尻餅つきながら何か差し出してゐる。掌に受けると雨つぶが洗ひ浄めて光り照らすほど雨脚も強まる。男の顔を雨が匿すのと光が暴くのと釣り合ったとき川が溢れて二人を圧し流すが,光を掌で包み合って離さない。夜あけ下流の淵から緑の虹たち昇り山なみ超えて徃く。
20/02/08 16:56更新 / 造花

■作者メッセージ
短歌から詩から掌編小説へ・・・少しづつ長く書けて来ました。

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