連載小説
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大人
あれから、何年経ったかな?

10年?20年?
2桁は、いってる。

その2桁の数字の中に
たくさんの思い出がある。

特にケンカのことだけど…

でも、ケンカしたって、私を捨てることはなかったし
逆に、ずっと守ってくれてる。

今も、ずっと。

性格は、相変わらず
けど、確かに前ほど酷くはない。


そして、私とアイト は、
パパとママになった。

名前は、気奈。
女の子です。

気奈は、可哀想なことに
少しアイト 似。

ま、私に似るよりかはマシだったけど。

まだ、4歳だから、性格までは分からない。

ただ、人見知りしなさすぎる所、私にそっくり。

性格は、私に似てほしいな〜
なんてね 笑


そんな私には、1つ悩みがある。

気奈 とお散歩に行けないこと

隣を歩きたい。
手をつなぎたい。
笑いながら、歌いながら、歩きたい…

目がよく見えなくて
3人で新しい町に来たものだから
どこに何があるのか全く分からない。

だから、
隣を歩いく
手を繋ぐ
楽しく会話しているどころじゃない。

不安で不安で仕方ない。

もしも、気奈 が車に引かれたら?
もしも、気奈が走って迷子になったら?

ってなると
私の体じゃ何もできない。

しかも、幼稚園で友達に
「気奈のお母さんって、足がないんでしょ?目が見えないんでしょ?」
って言われるらしい。

気奈 は、何も返事をしない。

私が傷つくし、気奈 だって、傷ついてる。

ごめんね、気奈…

アイト に相談したら

散歩は、3人でいこう。

って、言ってくれた。

友達に言われたやつに関しては
触れてこなかった。

自分でなんとかしろって言いたいのかな?

ま、どっちでもいっか!
私は気にしない!


「おい、れんか、また、なんか悩み事あったら言えよ」

歳をとっても綺麗な声。

「うん。わかった」

ねぇ、アイト、私ね、アイトにありがとうが言いたい。

強がって、ありがとうは、言わないって
変な意地張ってたら、いつの間にか、ありがとうが言えなくなっちゃた。

ダメだね、私。

アイト、ありがとう。
って、言わなきゃ伝わんないよね…
14/11/19 00:01更新 / プラス
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■作者メッセージ
次で、ラスト!

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