「お話」17.
「その後は、いつか過ごした日々と全く同じだった。
先輩は病院に運ばれ、
そして命を落とし。
翌日に山脇先輩から手紙をもらった。
『…わかったか?』
無機質な声が聞こえた。
『フィレモン…』
『…もう、諦めろ。』
『嫌だ!』
私は叫んだ。
『齋藤先輩がいないなんてそんなのやだ!
私は…私はっ……!』
泣き出してしまった私を、蝶は静かに見つめていた。
『言っただろう。
過去を変えるのは、不可能なのだ。
現実を受け入れろ。』
『やだ……。』
私が泣きじゃくりながら言った。
『もう、一度…
今度は、きっと……。』
『………。』
フォン……
魔法陣。
蒼く光る文字が綴る円が、私を囲む。
『…もう一度だけだからな……。』
そう言ったフィレモンの表情は読み取れなかった。
それは蝶だから当たり前なことなのだけれど…。」
先輩は病院に運ばれ、
そして命を落とし。
翌日に山脇先輩から手紙をもらった。
『…わかったか?』
無機質な声が聞こえた。
『フィレモン…』
『…もう、諦めろ。』
『嫌だ!』
私は叫んだ。
『齋藤先輩がいないなんてそんなのやだ!
私は…私はっ……!』
泣き出してしまった私を、蝶は静かに見つめていた。
『言っただろう。
過去を変えるのは、不可能なのだ。
現実を受け入れろ。』
『やだ……。』
私が泣きじゃくりながら言った。
『もう、一度…
今度は、きっと……。』
『………。』
フォン……
魔法陣。
蒼く光る文字が綴る円が、私を囲む。
『…もう一度だけだからな……。』
そう言ったフィレモンの表情は読み取れなかった。
それは蝶だから当たり前なことなのだけれど…。」
14/06/30 22:06更新 / 美鈴*