困惑と激怒〜山吹〜
由希side
あまりの驚きに、遠くなっていた意識が一気に戻ってきた。パニクる脳内。
目を開けると、原田先輩が私を抱き抱えるような状態で…
先輩は私が目を開けると驚きで目を見開いて、そしてなんか気まずそうな顔をした。
その顔で、私は何が起こったかを完全に理解してしまった…
ばっと飛び起きて、先輩から少し離れる。離れてから、そういえばあのままの方が色々美味しかったんじゃないかとか考えてみてももう遅い。
とりあえず顔が熱い。多分私の顔は今、トマトみたいに赤くなってる。あーこんなところ見られたくないなぁ………。
ちら、と先輩の方を見る。
顔を少し赤くして、誰かと電話している。
先輩は盛んに文句を言ってるけど、今の私には何も聞き取れなかった。
そのちょっと前、外では。
「キターーーーーーーー!!!!」
「キャーーーーーー//////」
女子二人が妙に嬉しそう。ものすごく盛り上がっている。
けれど男子二人は……
「なぁ、普通さ…違うだろ?なぁ圭輔。」
「そうだよな…場所が違うよな……」
なんだか納得がいかないようで…
まぁなぜかっていうと…
「「キスっつったら、ちゃんとした場所っつーものがあるだろう?」」
「なんでデコなんだよ…」
「やっぱり少し躊躇われるものがあったんじゃね?圭輔もそう思わね?」
「…あの二人に??躊躇い???拓実、あいつらにそんなものあると思うか?」
「いや、上下関係とか一応あるじゃん。」
「けどなぁ…ゲーム始まってから恥じらいとか全くなしに平気で恋人繋ぎしたり抱き締めたりしてるぞ、あいつら」
「げ…マジかよ」
「肉眼で確認したから嘘じゃねーぞ?」
「「あ、電話。」」
けたたましくなり響くコール音に、反射的に通信機を掴む圭輔。
通話を繋げて、そのまま通信機を耳に近付けたのがよくなかった…
『出れねーじゃねーか何考えてんだ貴様はぁ!!!』
耳を潰すほどの怒声が響いた。
原田side
「出れねーじゃねーか何考えてんだ貴様はぁ!!!」
思わず通信機に向かって怒鳴る。
俺だって、やりたくてこんなことしてる訳じゃねーんだぞ!ここから出るためだけにっ…!
『せんぱーいどこにしましたー?』
あぁ!もううぜーんだよっ間延びしたからかうようなそれヤメロ!!
『無言ってことは…もしかして俺たちに言えないような「デコで何が悪いっ!!!!」
なに向こうの奴、言いかけた言葉から察するに…変態か?
俺が返答すると、相手はクックッと笑う。
『やだなー先輩♪キスにはちゃんと定番の位置ってものがあってですねー
やっぱりそこじゃないと出れませんよー?』
「うっせぃ!!だまれっ!!!」
通話を切る。
通信機をポーチにしまってから、小原さんに少し歩み寄る。
少し気まずそうな、恥ずかしそうな。そんな顔をしている。まぁ当然だろうな。
あーもー都合よく記憶消せたりしねーかなー
まだそういう技術は発達してねーんだよな。もう。
とりあえず、まだ戸惑ってる小原さんに声をかける。ビクッと驚いたように反応されて、それから冷静さを装いながら、
「…何ですか??」
と聞いてくる。
俺は必死の思いで言った。勘違いされちゃ困る。
「俺がこういうことしたのはな、ここから出るためなんだ。これしか方法がなかったんだけど……ごめん。今日の事はもう忘れてくれ。」
小原さんの側に寄ると、優しく抱き締める。いい感じにすっぽりと腕の中に収まった。
「今から俺がすることも、忘れてな。」
そう言うと、俺は静かに、そっと、小原さんの唇を奪った。
あまりの驚きに、遠くなっていた意識が一気に戻ってきた。パニクる脳内。
目を開けると、原田先輩が私を抱き抱えるような状態で…
先輩は私が目を開けると驚きで目を見開いて、そしてなんか気まずそうな顔をした。
その顔で、私は何が起こったかを完全に理解してしまった…
ばっと飛び起きて、先輩から少し離れる。離れてから、そういえばあのままの方が色々美味しかったんじゃないかとか考えてみてももう遅い。
とりあえず顔が熱い。多分私の顔は今、トマトみたいに赤くなってる。あーこんなところ見られたくないなぁ………。
ちら、と先輩の方を見る。
顔を少し赤くして、誰かと電話している。
先輩は盛んに文句を言ってるけど、今の私には何も聞き取れなかった。
そのちょっと前、外では。
「キターーーーーーーー!!!!」
「キャーーーーーー//////」
女子二人が妙に嬉しそう。ものすごく盛り上がっている。
けれど男子二人は……
「なぁ、普通さ…違うだろ?なぁ圭輔。」
「そうだよな…場所が違うよな……」
なんだか納得がいかないようで…
まぁなぜかっていうと…
「「キスっつったら、ちゃんとした場所っつーものがあるだろう?」」
「なんでデコなんだよ…」
「やっぱり少し躊躇われるものがあったんじゃね?圭輔もそう思わね?」
「…あの二人に??躊躇い???拓実、あいつらにそんなものあると思うか?」
「いや、上下関係とか一応あるじゃん。」
「けどなぁ…ゲーム始まってから恥じらいとか全くなしに平気で恋人繋ぎしたり抱き締めたりしてるぞ、あいつら」
「げ…マジかよ」
「肉眼で確認したから嘘じゃねーぞ?」
「「あ、電話。」」
けたたましくなり響くコール音に、反射的に通信機を掴む圭輔。
通話を繋げて、そのまま通信機を耳に近付けたのがよくなかった…
『出れねーじゃねーか何考えてんだ貴様はぁ!!!』
耳を潰すほどの怒声が響いた。
原田side
「出れねーじゃねーか何考えてんだ貴様はぁ!!!」
思わず通信機に向かって怒鳴る。
俺だって、やりたくてこんなことしてる訳じゃねーんだぞ!ここから出るためだけにっ…!
『せんぱーいどこにしましたー?』
あぁ!もううぜーんだよっ間延びしたからかうようなそれヤメロ!!
『無言ってことは…もしかして俺たちに言えないような「デコで何が悪いっ!!!!」
なに向こうの奴、言いかけた言葉から察するに…変態か?
俺が返答すると、相手はクックッと笑う。
『やだなー先輩♪キスにはちゃんと定番の位置ってものがあってですねー
やっぱりそこじゃないと出れませんよー?』
「うっせぃ!!だまれっ!!!」
通話を切る。
通信機をポーチにしまってから、小原さんに少し歩み寄る。
少し気まずそうな、恥ずかしそうな。そんな顔をしている。まぁ当然だろうな。
あーもー都合よく記憶消せたりしねーかなー
まだそういう技術は発達してねーんだよな。もう。
とりあえず、まだ戸惑ってる小原さんに声をかける。ビクッと驚いたように反応されて、それから冷静さを装いながら、
「…何ですか??」
と聞いてくる。
俺は必死の思いで言った。勘違いされちゃ困る。
「俺がこういうことしたのはな、ここから出るためなんだ。これしか方法がなかったんだけど……ごめん。今日の事はもう忘れてくれ。」
小原さんの側に寄ると、優しく抱き締める。いい感じにすっぽりと腕の中に収まった。
「今から俺がすることも、忘れてな。」
そう言うと、俺は静かに、そっと、小原さんの唇を奪った。
14/07/29 22:32更新 / 美鈴*