イメージ讃歌
彼女は彼のものになったんだって
彼女も彼も よく知らないけど
右手が左手を掴んで叫ぶ
これは僕のだ
下品な言葉ばかり蔓延って
下品な天秤にひれ伏す日々
好き好き言うのは苦手だよ
表現上手は苦手だよ
好きの影に隠れて
たくさんの嫌悪と侮蔑が
こちらを睨んでぞっとする
あなたの人生なんて
鼻紙のゴミ箱シュート
と同じじゃない?
独りよがりの言い訳に
君をよがらせられりゃ
よかったけれど
君を守ると誓ったあの騎士は
何から 誰から
君を守ろうとしたのだろう
濁った世界だなんて
青二才だって知っている
一度きりの人生 だなんて
希少価値を盲信しては
不完全な世界だと悪態をつきながら
完全な世界を生きながらえてる
最強のカードを手にしたのは
まさにカードゲームしてた
ときだったっていうオチ
ちっぽけな自分の感情を
満足させたところで
この世界の 何の足しにも
なりゃしない
世界は僕を構わない
スクリーンに映り込んだ
自身の影で ただただ
驚いたり 怖がったり
喜んだり 泣いたり
してる
日々の記憶の断片を
妄想でつぎはぎした
世界観という名の
なんて素敵なファンタジー
貧困なるイメージよ
そのイメージに縛られて
身動きできない 僕も彼女も
どういうつもりと
考え込んでは
どういうつもりと
罵られ
見るだけで
聴くだけで
触れないほうが
いいものがあって
世界もそうだと
いうのだろうか
虚しさよ
どんなに多くの音楽を
聴いたところで
自分の肉体が
美味しくなる
わけでもない
精一杯生きたかどうかでなく
生きたかどうかでさえない
せいぜい遊ぶだけの
ただそれだけの
ちっぽけな盃が
溢れては干上がる
終わりと始まりを繰り返す
それこそが
二度と来ない永遠
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