憧憬
どんなものでも
美しく見えたら…ね
満足した豚であるより
不満足なソクラテス
言いかえて
幸せな貧乏より
不幸な金持ち
そうかな…
幸福の妙薬を
手に入れて
飲み干すことに
何の躊躇が
あるだろう
世界を
あるがままに
見ようとする
君の強い目を
できっこないよと
茶化しながらも
尊敬していた
見たいものだけ
見えればいいのか
何でも見透せれば
気が済むのか さえ
分からなくなるけど
どうせ そうも
ならないし
取っかえ引っかえ
色眼鏡を掛け替えて
生きて行ける
お洒落さんにも
なれないし
結局
近視と乱視を
患うばかりで
望遠鏡も
虫眼鏡も
使う人次第
なんか強そうな複眼も
確かな一目には
遠く及ばず
分かってる
光でも影でもなく
悪いのは
この濁った目なんだと
どんなに
光が美しくても
とんなに
影が優しくても
この目が いや
この心が
すべて台無しに
してしまう
願わくば
振り返りたくない
過去さえも
美しい景色の中の
不可欠な一部分に
見えるような
そんな場所を
探している
そんな心を
探している
滲んだ光の夜景が
今日も綺麗
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