夢のよう
腹を抱えて
大笑いした日は
遠い夢のよう
そんな日々が
本当にあったのかな
あの悲しみだって
本当にあったのかな
本当の涙が
こぼれたのかな
これから来る
悲しみとは
どう違うのかな
そのときには
また思い出して
ちゃんと悲しむことが
できるのかな
梅雨時に 瑞々しく
鮮やかに 咲いた紫陽花が
やがて徐々に くすみ
崩壊していくさまは
少し淋しくて
少し悲しくて
でも美しい
滅びていくことが
また美しいのなら
失われていくことが
また美しいのなら
たとえ淋しくても
たとえ悲しくても
声を張り上げて
呼び止めなくても
いいのかな
滅びないでおくれ
芸術たちよ
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