無明
夏祭りの夜店
金魚すくいのぽいが
儚く破れる
青少年を軽快に誘う
世界の真理
人生の意味を問う
書籍は書店に
今も並んでいる
生きながら
彼岸への脱出を試みた
ドン・キホーテは
死んで彼岸へ
辿り着くのだろう
燃料切れのロケットは
ただただ虚空を
彷徨いつづける
悲しみが
世の中に
溢れている
ジェットコースターが
恐怖と歓喜を乗せて
疾走する
Kid's room に
放り込まれ
当惑する子ども
隣で無邪気に
はしゃいでいるのは
きっと
みずから望み
飛び込んできた
子どもなのだろう
生まれて
求愛の歌をさえずり
命をつないで
やがて死んでいく
悲しみを喜びで
恐怖を歓喜で
上塗りする
泥仕合
実に味わい深い
ルールじゃないか
人類の進歩なぞ
所詮は個人の
一喜一憂の
付属物でしかないと
今まで何人の人が
声高に叫んできたことか
一枚の書類があり
その上にまた
書類が
一枚 一枚
積み重なる
落葉樹が落とした
木の葉が
一枚 一枚
積み重なり
やがて
木の葉の絨毯となる
様々な積み重なりに
人は一喜一憂して
生きていくしかない
今も 昔も
これからも
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