金管。雨降る夜の後に。

止まない雨はないけれど

やって来る事が分かっている雨は

鬱陶しい

時として涙

星座なんて知らないけど

光を失った雨の闇には

どうしようもない億劫さが

ひたひたと胸の中に貯まってゆくよう

人差し指と薬指で

金管のバルブを抑え

そっと吹き真似してみても

揺らがぬ虚空が

世界を支配するだけ

華やかさなんて欠片もない

でも静けさは見つけたので

これで終わりにしようと

カーテンあけたら

紫雲の向こうに虹

ぼんやり遠くに

でも

紫雲の向こうには虹

雨の後は

どこかで虹

涙の後も

きっとどこかで虹




20/06/20 22:24更新 / 竹之内進
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