至る道。道半ば。

つまらない。

何をしてても

つまらない

勉強など

ほぼ暗記力があるかないかの勝負じゃないか

武など

所詮、力が強くて

体格がよければ勝つじゃないか

拳銃一発に勝てないし

努力の先が見えてると

本当につまらない

ある日

師と立ち会った

辞めるつもりで。

50近く年の離れている爺さんに

三回ほど殺され

鼻で笑われた

悔しいので

幾度となく門をくぐる

何度も殺されながら

私は汗にまみれて

血がどんどん熱くなるのを感じた

師はその日のんびり、麦茶を飲みたいと言い出した

今日は一度ぐらい決めてやろうと覚悟した

しかし相手が相手

己の全部ぶつけて駄目なら

それ以上に

全部捨てる気でないと

勝機すらないだろう

それだけはなんとなくわかっていた

師はこちらをみているだけ

後の先など狙えずとも

一矢報いたい

私は少し距離を置いて

突きの構え

自分の考えは捨てて捨てる

捨てる

研ぎ澄ます

相手の呼吸をみて

同調する

吐く。。吸う。吐く。吸う。吐く。。

注意を落とさず

相手の先をみる

爪先、指先、目先、剣先。

どれもちぐはぐな感じが素直にした。

もっと同調

もっと。

不思議な感覚

温かい?何?

師と対峙してるはずなのに

その一瞬

まるでそこには私しかいない気がした。

刹那

距離を詰められて

右肩をぽんと叩かれた。

笑顔で。

お疲れ様。また。

その時どんな顔を自分がしていたかはわからない。

それから考えて更に考えた結論は

全くわからない。ただあれは何だったのだろう

悔しくはない。

辞める事をやめた

そして私は、笑った。

20/01/13 22:09更新 / 竹之内進
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