涙の温度

「愛してる」のメッセージをはぐらかす様に

あの日から笑わなくなった君に気付いてた

けれど広がる隙間を埋める事も出来ずに

もう僕らそんなんじゃないんだって解っていても

気付かないふりをして過ごす僕だけが

現実に置き去りにされて行く


突然泣き出した君

その瞳に もはや僕は映らない

その姿に掛ける言葉も見つからなくて

もう 触れる事さえ許されない様な気がして

伸ばした手を引き戻して力弱く握った


変わるならチャンスはいくらでもあったはず

今になって気付くなんて 遅すぎたよね

バカだね僕は 惨めだよ

君の涙が向かう先を知っていたから


ごめん 苦しかったね

でも もういいんだよ

もう...


僕が贈った終わりの言葉に

泣き止んだ君が残した

いつかの笑顔と「ありがとう」

25/05/15 18:54更新 / Xiu
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c