オレンジ
彼と別れたばかりのこの部屋で
アルバムを取り出して1人眺めてみる
一緒に撮ったたくさんの写真 思い出
今も色褪せずにそこにある
2人で揃えたソファーにコップ
テーブルの灰皿 火の点いたままのタバコ
飲みかけのコーヒーがまだ温かい
出て行く彼の背中 どこか淋し気に
「さよなら」の声が耳に焼き付いている
外側では平静を装っているけれど
どうすればいいのかさえ分からず
窓辺に置いてあるローダンセも
呆れた様に首を傾げてる
これが最後なんて嫌だから
自分の気持ちに嘘は吐けないから
そう言い聞かせて
慌てて開けた玄関のドア
目の前に立つ照れくさそうな君
優しく2人を包むオレンジ
TOP
