穴
気付けば 錆びたシャベルを片手に
理由も どこに続くかも分からず
ただ掘り進めている
乾いた土は無言のまま
過去を隠すように崩れては戻る
空は遠ざかり
その色さえもう覚えていない
次第に馴染んで行く
湿った闇と土の匂い
深層に近付く一掻きごとに
胸の奥で何かが軋んだ
思い出したよ...
赦しを求め
声なき叫びを埋めた
この穴が誘う罪を
届かぬ光に「希望」と名付け
手を伸ばしてみても
穢れたこの手には
掴めるものなどなくて
それは幻影のように
指の隙間からこぼれ落ち
終わりなき底へと落ちて行く
自分という罪を埋めに来た
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