村人の詩

善意は誰かに強制するものではないのに
図に乗る輩が現れて
誰かの善意ごと裏切ってしまう
そうして貧困になった村の
行く末は暗澹としていて
時間経過に任せても
抜けられない

使いたくなったときに
気に入ったもののために

進んで使いたくなる
使わなくてもいいもの

朝を続ける朝
夜を迎えない朝

夜に続く 夜
朝を持たない 夜


やがて廃村になるのは勝手だが
貧困になった村に確かに存在した
豊かな善意の記録を
誰かが現れたときのために
残してはおけないものか

ふいにくだらなく思えても
酔っ払い以上にとても悩ましくなってしまうから

ささやかに
この暗澹に落書きをしよう







25/06/07 17:21更新 / hinoki no bou
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