かすみ草

湖の中にある
平原の奥に椅子を並べて
さえずりを聞いている
在りし日をつらねて
奏でるように

雨降りの霞みには
見えない夜明けを煩っていた
在りし日をつらねて
忘れぬように

意味をなくして満たされた風景を
いくつ数えたら
きみのもとへと伝えられるだろう

遮るものさえ
傷ついてさえ
包み込めるほどの

醜く見える切なさごと
愛をもって
抱きしめていられると


25/05/17 21:07更新 / hinoki no bou
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c