つたってゆくもの
オオスカシバの幼虫や
あどけなさが残るカマキリを拾って
植物のもとへつれていくと
たしかめるように
枝葉につかまって移動をはじめる
懸命な雰囲気を見ると
適している植物ではないのかとも思う
詳しくないけれど
明らかに危ない人工物の上よりは
ましなはずだと自答して見届けた
この小さかった虫たちが
しばらくすると偶然なのかわからないが
大きくなった姿で現れることがあって
見届けた場所
ほぼ変わらない位置でじっとしているのを見ると
同一個体かと聞きたくなるくらい
特に
カマキリは十二月の出来事で
寒くなった時期に出てきているなんて珍しかったから
人間が見分けられない
同一個体を識別している前提で
がんばって
来てくれたのかな
などと想像してしまうほど
誇らしさが滲んでいるように思えた
じっと佇んでいて
斧を振り上げることはない
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