〜 コワイ夢 その二「終着駅」 〜
僕は ある日 夜汽車に飛び乗ったんだ
何処へ行くのか行き先もわからないままに
汽車は黒煙を吐き漆黒の闇の中を
真っ赤な炎でピストンを動かし走っていくんだ
そのうち気が付くと・・・
闇の中を それも線路の上を男が歩いていたんだ
汽車は闇を切り裂くような警笛を何度も何度も・・・
あとは よく覚えていないんだ
ただ後ろから汽車の警笛が聞こえたような・・・
あっ・・・
そう思ったときには僕は死んでしまったんだ
暗闇の冷たい線路の上には
真っ赤な僕の血が流れ
僕はしばらく目を開いていたんだけど
やがて閉じて闇に同化してしまったんだ
でも 僕は何も覚えていないんだ
いつ眠りに就いたのか
そして 夜汽車が終着駅に着いたことも
すべてはコワイ夢の中の出来事なのかも
TOP