天使が見ている
月も星も隠れてしまい
世界が闇に落ちる中
切り立つ崖にへばり付き
見えない道をそれでも歩む
まだ道は続いているだろうかと
そろりと一歩
振り仰ぐ空に光を求めながら
また一歩
いつしか目も霞み 耳には声が響く
向こうの彼は光り輝く野を駆けているよ
向こうの彼女は青空を飛び回っているよ
誰かは鮮やかな光景を楽し気に謳った
いつ道を踏み外してしまうのか
それとも道は次の一歩で途切れてしまうのか
暗闇の中それでも進む
響く声に唇を噛み締めて
羽音と共に広がる笑い含みの声
ああ 天使がきっと私を見ている
TOP