小麦袋抱いて
両手で抱えた大きな袋
開いた穴から小麦が落ちる
だから振り返れば点々
小麦が道を示すだろう
袋の小麦がどれほどか
いつ無くなってしまうのか
道はどこに続くのか
いつまで歩けばいいのか
分からないまま僕は歩く
小麦袋を抱きしめて
振り返った先の小麦は
もう小鳥が食べてしまったかな
帰り道なんて知らない
ねえヘンゼルにグレーテル?
道の向こう お菓子なんて期待しないけれど
袋を投げ捨て座ってしまえば
重さなんて気にならなくなるのにね
心がどこかで囁くけれど
穴から小麦が落ち続けて
道に落ちて弾かれ跳ねて
そして僕を急かすから
そして僕を見ているから
僕は歩き続けるしかないんだ
小麦袋を抱えて
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