夏が誘う

灰の雲を掻き分けて
白い光が降ってくる
数日の雨もぱたりと止んで
電線には雫が輝くばかり

戻ってきた蝉の歌は
窓硝子を突き破るかのように

濃さを増す欅の葉は
ゆうらりと風に揺れた
手招きするかのように

さあ 窓を開けて
さあ 外へおいで

笑いながら夏が誘う

22/07/25 16:42更新 / ねこK・T
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