背伸び



休日のオフィスでひとり
コピーをとってる
何度とり直しても
文字や記号は
羽をはやし逃げてしまうから
白い紙だけが高く積まれていく
明日までに終えなければ、と思う
明日がくることが
当然のことのように
窓の外から波音が聞こえる
高い建物が並んでいるけれど
それでも背伸びをすれば
うっすらと海も見える



23/08/29 06:59更新 / たけだたもつ
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c