明後日
一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
食べられた後はどうなるのだろう
牛にもそれはわからなかった
背中に伝わる牛の力は
すでに夕日に似ていた
気をつけて
牛さんも気をつけて
誰にもわからない明後日のことを考えながら
酷いことを言ってしまったと
泣きながら帰った
23/06/21 06:11更新 /
たけだたもつ
いいね!
感想
TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c