航海



水溜りがあった
大きな客船が浮かんでいた
甲板からあなたが手を振っている
わたしも泣きながら手を振り返す
別れには涙が必要な気がした

数日後、水溜りはなくなっていた
船の穏やかな航海を願った

もう帰って来ないあなたがいるのだ
夕食をとりながら
あなたとそんな
お話をした



25/11/11 07:40更新 / たけだたもつ
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c