夕立



別れは皮膚のあたりが
ひりひりする
トマトのゼリー状のところ
わたしが育てた何か

剥離するその先に
夕立だけの街
手を動かせば
いつも触れるものはあり
その形状も
その名前も
そのわたしも
昔のそら耳に書かれていた

色をなくして
アコーディオンが
壊れたまま
雨に放置されている
降るだけの雨に
歌うだけの空に
落ちるだけのわたしに
委ねないで皮膚の続きを

酸素の中を
泳ぐ夢を見た
目が覚めることも忘れて
わたしはいつまでも
ただ優しかった



23/12/20 07:03更新 / たけだたもつ
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