植物園の風景



薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので
何か話している
話したくないことも
話さなければならないし
沈黙もまたやがて覚えるというのに
一生分話してもまだ足りないのだ
僕は隅っこで停留所を作っている
来年の春、バスに乗った
ぼくらの幸せな姿を思い描いている




23/11/28 08:26更新 / たけだたもつ
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c