接続詞



昨日より冷たい君の
手を引いて
坂道を上る
君の腕が肩から
肩から抜けてしまわないように
そっと引いて上る

途中、誰がつくったのか知らないけれど
昔からある赤茶けた工業地帯が
野原の奥の方へと連なっている
今日はお土産になりそうな
部品のようなものや
草花のかけらも見つからない

坂の上にある
小さな無人駅の改札を通り抜けて
車両番号の消えかかった列車に乗る
ただ列車の中で
呼吸をするために

とりとめも無い言葉を
拙い接続詞でつないで
発車していく
いつから僕らは
戦うことをあきらめてしまったのだろう
最初のトンネルにさしかかるころには
頭を垂れて
砂糖菓子のように眠っている



23/10/13 07:08更新 / たけだたもつ
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