小部屋の時は止まっている
白い小部屋には未だ1本のギターがある
非常識に此処に入り込むベージュの影を待って
遠い朝を幾千眺めても
目の前を黒の絵の具で塗り潰すのを
やめなかったのに
まだその絵の具は
この手を染めたままなのに
海岸沿いを歩けば
──彼の日の俺達がいる
街をゆけば
──変わらない景色が憎くなる
森の中には入らない
──これ以上 奴の回想をする暇はない
そうだろう
答えを欲しがるほど 弱々しさを知る
誰の?
このギターを捨てられない訳を
この小部屋にまだしがみついてしまう訳を
どうか早く来て 音にして教えてくれよ
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