ごめんなさい

君のことを思い出すのは
泣きたくなるからです。

泣きたくなると思い出すのは
君の丸まった背中です。

君の背が小さく見えた夜
君の声はもう思い出せない

けれど
その瞳
底のない


沈んでしまったのはそれから
もう抜け出せないのです

愚かだった僕は
今でもまだ愚かなままなのです

僕は君を理解れなかった
君と同じ場所にすら立てなかった

君を理解っているつもりで
君を愛しているのにって

見えていたのは自分だけで

──君の責める声がまだ耳に響くんだ──

だから
泣きたくなるから

泣きたくなったら
君を思いだすのです

君の丸まった小さな背中を
僕の無力さを、愚かさを、
僕には何の資格もないのだと言い聞かせるために。

19/01/02 23:47更新 / 辻葉冷弧
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