蝶
久しぶりに、蝶を見たんだ。
白じゃないよ
透き通るような青い羽根をもった蝶
のばした手の体温で
ふれる前に消えてしまいそうな
けれど強くここに存在している蝶
なんだか悔しくなっちゃった、
そう思えるのはきっとしあわせだね
小さく針を刺された気分さ
標本になってしまったのはきっと僕の方
割れてしまいそうなのもきっと。
空はいつだって濁っちゃいないし
夜はいつだって僕らに無関心だ。
言葉はいつだって力を持たないし
感情はいつだってその形を成さない。
だって神様なんてどこにでもいるんだ。
望みさえすれば、の話だけど
僕も蝶を探さないと。
今度は見失わないでいられるかな。
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