久しぶりに、蝶を見たんだ。

白じゃないよ
透き通るような青い羽根をもった蝶

のばした手の体温で
ふれる前に消えてしまいそうな
けれど強くここに存在している蝶

なんだか悔しくなっちゃった、
そう思えるのはきっとしあわせだね

小さく針を刺された気分さ
標本になってしまったのはきっと僕の方
割れてしまいそうなのもきっと。


  空はいつだって濁っちゃいないし
  夜はいつだって僕らに無関心だ。
  言葉はいつだって力を持たないし
  感情はいつだってその形を成さない。

  だって神様なんてどこにでもいるんだ。
  望みさえすれば、の話だけど



僕も蝶を探さないと。
今度は見失わないでいられるかな。


22/02/14 01:02更新 / 辻葉冷弧
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c