色彩のパネルの前で

同じパネルの前に立ち尽くしている
群青と黒のグラデーション
飾り気のない絵

赤いネオンが目の前をよぎる
誰かを引いていく

透明な部屋にいた
少しずつ肥大する空間に引き延ばされるまま
換気扇も小さな窓もない
存在が薄らぐ酸素ボンベの圧が抜け
生き絶えている蛙

黄色い顔



最後に見た虹は
割れていくシャボン玉


19/08/19 16:49更新 / 辻葉冷弧
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