過ぎ去りし森

鬱蒼と茂るは日々の跡片
三歩下がれば森の背に抱かれ
思い出すまでもない昨日と沈む
優しくもないのに

止まらずに生長する
知らない葉を無意識につけ
呼吸する

振り向けないのはその森の深さに
自分が方向を見失わないため
言い訳は足を止めるばかりで

何処にだって行けるなら
五歩下がって花を見たい
けれどそれは辛いから

いっそこの折れそうなマッチ1本に
この森を委ねようか


19/05/10 17:56更新 / 辻葉冷弧
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