夢零し
ーつ言葉を吐くたびに
あなたが遠ざかっていくなら
始めから言葉なんて捨てたい
弱いままの僕だ
言葉を捨てるなら
始めからありもしない
自分すら捨ててしまう
観念的だ、抽象的だ、
その域にすらいないのに
見えるものを煙に巻いて
美化した世界は綺麗で
それを嫌悪して
そうやって見た世界すら綺麗で
自分の汚れをどうこういう前に
自分が何かも分からないんだ
空を見て夜にいたい
海を見て朝にいたい
昼は眩しすぎるから小さな部屋の中で
夕方は願いすぎるから目を閉じて
一人ぼっちで歌いたい
知る人がいない場所で
誰かを望む歌を
人間を愛す歌を
全てを嫌う歌を
全てを許す歌を
しずかに
しずかに歌いたいと
そう望めるようになりたかっただけなんだ
人間だ、って、笑って泣きたかっただけなんだ
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