対話
青く澄み切った空の下
騒々しい都会から遠く離れた小高い丘の上で レジャーシートを敷き 大量の料理と飲み物を用意して 自分との対話に興じる
溜まりに溜まっていた愚痴をひたすらに聞いてあげたり
傷付き落ち込んでしまった気持ちを必死になって励まして持ち直させたり
絶え間なく湧き起こる不安や心配事などの相談を真剣に乗ってあげたり
そんな普段から後回しにしてきた自分自身との対話を楽しむ
ふと自分が聞いてくる
『アナタは自分のことをどう思っているのですか?』と
だから答える
『無力で 無知で ネガティブな思考を持った不出来な奴だと思ってるかな』
でも
『そんな出来の悪さを憎めず 時たま愛おしく感じることもある おかしな奴でもあるけどね』
なんて付け加える
『好きなんだが嫌いなんだがよくわからない話しですね』
自分が笑う
『たしかに 要領を得ない話しだね』
自分も笑う
ケラケラ笑う自分らの間を 風がスッと静かに吹き抜けていく
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