秋の秋
小麦畑の中
見馴れた風景にすっぽり
そこから見える我らがこの街
電車から見えた鳥の群れ
夕焼けに染まるよ
子どもの泪も赤く染まって
竹馬の傷も10年後にはたくましさ
勲章で
夜になるのが少しずつ
一人になる時間が増えていく
23時、店じまいしているスーパーで
かたちの良くない焼きイモ
ふたつ買って
星空の下、虫の声
訳のなく幸せになって
淋しくなって
冷めた焼きイモ
パクパク食べて
急に胸が苦しくなった
苦しくて
一人は嫌だな
こんなにも一人が好きだって
貴方には嫌味を言っていた
少し先に光り輝くものが
あれが私を救ってくれそうで
あったかいミルクティーを選んで
少しずつ飲むの
苦しさは少しずつ収まって
全部焼きイモのせいだって
言い訳できるなら、まだ
私やっていけそうで
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