名前もないのに呼んでいた
無数の雨粒が窓を叩いてる
夏なのに冬の日を思い出していた
正確には思い出せずに眺めてた
初めてこの星の空気を吸った日
「ほら力を入れて」体育座りの僕は
「ほら何も知らず」初めてのカトラリー
まだ僕に名前が無かったあの時
ママは僕のことなんて呼んでいたのかな
パパは無い名前を呼び続けていたのかな
それって不思議で素敵なことじゃない?
でもね実はあの時僕の中でも
ママはママじゃなくて、パパもパパじゃなかったの
だから初めての「コトバ」を使い切って
呼んだのは
誰かも分からぬ我が創造主
名前もないのに呼んでいた
それがなんて美しいことなのか
挨拶がわりにしては礼儀正しくて
けれどまだまだ声は枯れないよ
だってもう忘れるはずもないから
この名
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