季節は重ねて
季節は重なって恋をした
若気の至りにしては必死すぎた
君はハル 僕の薬指に噛み付いて
震えていたのは君だった
今が何時なのか分からなくて
なんなら今日が何曜日かすら知らない
君と僕の体温しか分からないこの部屋には
あの時季節は二つしか無かったんだ
「行かないで、行かないで」って
言いながら消え入りそうな君を
「消えないで、消えないで」って
無責任な言葉を吐き続ける僕を
君が愛していた僕の中の
愛されたいって痛む気持ちのせいで
止まることを知らぬ鼓動と、
僕が愛していた君の中の
愛されたいって湿る気持ちのせいで
過ぎ去ることを知らぬ嵐を、
僕は五つ目の季節だと呼びたい
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