季節は重ねて

季節は重なって恋をした
若気の至りにしては必死すぎた
君はハル 僕の薬指に噛み付いて
震えていたのは君だった

今が何時なのか分からなくて
なんなら今日が何曜日かすら知らない
君と僕の体温しか分からないこの部屋には
あの時季節は二つしか無かったんだ

「行かないで、行かないで」って
言いながら消え入りそうな君を
「消えないで、消えないで」って
無責任な言葉を吐き続ける僕を

君が愛していた僕の中の
愛されたいって痛む気持ちのせいで
止まることを知らぬ鼓動と、

僕が愛していた君の中の
愛されたいって湿る気持ちのせいで
過ぎ去ることを知らぬ嵐を、

僕は五つ目の季節だと呼びたい


22/07/26 01:57更新 / らりるれろ
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