いっぱい、いっぱいだ
痛いかもしれない
そう思えば思うほど
胸のあたりか もっと奥らへん
きゅっとなって動けない
やっと勇気を出して
おそるおそる触れてみれば
ぎこちない触れ方で
からかわれてしまう
だから怖いんだって言うと、
甘えてるんだねって返す楓
お前なんて大嫌いだって言うと、
ため息に近いような隙間風
痛いかもしれない
そう思えば思うほど
目の奥のモーター 暴走して
揺らいだ手 冷却機能は作動しない
口が破裂して飛び散った言葉は
それはそれはむず痒くて
黒目は行ったり来たり
君は横で知らんぷり
だから怖いんだって言うと、
聞いてるフリで頷く奏
もういいよって呟くと、
おうむ返し延々と
居たいのかもしれない
きっとそれは嘘だ
居たいのかもしれない
きっとそれはデタラメだ
そうして風は僕を無視して
遠くへ去ってゆく
「ねぇ僕も仲間に入れてよ」
君もまた知らんぷり
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