散骨、ビルの屋上

爆散した身体を拾いにゆこう
毎朝の巡礼は終わりを告げた

猫も餌付けする手の冷たさに気づき
斜めった夏に抵抗を謀る

毎秒の使い道を手帳に書いていた
「尊重」という逃げを繰り返していた

君が骨になったのなら僕は一体、
何になればいい?

最期窓越しに手を振り閉じた光が
後ろめたさのメタファーを語ってゆく

肝心な時にブレーカーは落ちていて
あなたに目配せすることも叶わないんだな

船頭の声だけがこだまする
見知らぬ人の手の温もりの中で
ただまどろんでゆく

自生と自死が拡散され流行ってゆく頃
僕は一体何になればいい?

今ひとつピンとこない聖者の演説に
飲みつつ語るコーヒーの不味さに


24/11/14 23:10更新 / らりるれろ
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