いやしい漣
寸分は細切れにされて
味噌汁の中、靄に喰われてしまった
刹那的でありたい私どもは
やはり日々の支柱に身の丈を刻んでしまう
許して欲しい、誰に?世界に
見逃して欲しい逃げ切りたい瞳から
生き延びる為のパンを買うのも嫌だが
愉しみを鉋にするのも嫌だ
アリフレルコトスラママナラヌノナラバ?
目を離したすきに居なくなり
戸棚の奥に隠した菓子を餌に生きる
そんなささやかで卑しい生命
こうありたいと願うのは間違いだろうか
許して欲しい、誰に?君に
たとえばチェーンのくせに何故か
某百貨店の中でしか用意していない
クラムチャウダーパスタ
お気に入りだったのに彼もまた、僕が
望んでいた存在であり続けている
そこに居ないことそれこそが魔法になる
そんな漣で荒れるならば
空高く飛び俯瞰せずとも知れる風
アリフレルコトスラママナラヌノナラバ、
僕はささやかで卑しい生命でありたい
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