鯉とまな板の関係
君は薄情者だから
「殺してくれ」と僕が言っても
ただそれを眺めているんだろう?
君は薄情者だから
「生きていたい」と僕が涙を流しても
心を動かせず眺めているはずだ
そんな君にお願いがあるんだ
「側にいて欲しい」
お前が板前か?
それなら消えてもらおう、邪魔だ
その包丁を置け
僕らの幸せは忽然とそこにあって
何も起こらずただ仄かな良い香りがする、
そういうキッチンだ
僕は君の板目をふと、感じる
君は僕の鱗をふと、感じる
一生そういうキッチンだ
24/07/25 19:21更新 /
らりるれろ
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