たすけてほしい
ぼくのアタマに棲みついた鳥は
丸々と太ってしまうまで
ぼくのイメージを食い荒らした
そしてぼくはコトバが作れなくなった
彼のせいでアタマが重いぼくは
頭蓋をノックして彼に言ったんだ
「きみを丸焼きにして友達にふるまっていいかい」
「べつにいいけど、きみのイメージ奪われちゃうよ。
それでもいいのかい」
帰り道いくらきれいな夕暮れを見たって
いくらエアーズロックを生で見たって
ぼくにイメージはないから
ぼくはコトバを作り出せないから
なんにもないんだな
かろうじて指先がおぼえていた、
首吊りロープを作っている
ぼくのアタマに棲みついた鳥は
丸々と太ってしまうまで
ぼくのイメージを食い荒した
そしてぼくはコトバを作れなくなった
かろうじて指先が覚えていたから
とんとんとん、
つぅつぅつぅ、
とんとんとん、と
権力に肩叩きをしていた。
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