ふと、世阿弥になって
あたし歩いてた
あたしの人生の上をね
で、まぁそれなりに頑張ってたしね
あたしには常に
スポットライトが当たってるわけね
特別才能があるってわけじゃないんだけど
そこそこのデスクワーク
そこそこのおまんま
そこそこの寝床で寝られるのよね
この道は疑いたくなるほど真っ直ぐで
それこそランウェイみたいなのね
永い永いカーペットの真紅が頬に移り
ニヤケが止まらないのね
茶店にて氷だけになった
コーヒーを前に幼馴染が一言
「あんた変わったね。」
お前が変わったんだよ、お前が堕ちたんだよ
だりぃな僻みかよカスが
それにもしあたしが変わったんだとしても
何が悪いのさ、だって差し出せるもの
全て差し出してこの人生だよ?
そして幼馴染はタワマン2階
そして私はコーポ掃溜に帰る
振り返ると松の絵
違う違う違う違うあれ、
真紅のカーペットは????????
ほら、ふと、そこは能舞台
ほら、ふと、そこは能舞台
ほら、ふと、そこは能舞台
ミラーボールが降りてきて
私は踊らされるの
ほら、ふと、そこは能舞台
嘘なの。ほんとうよ。信じて
ほら、ふと、そこは能舞台
嘘なの。ほんとうよ、死んで。
嘘なの。でも何が悪いのよ。
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