生きた生肉の観察日記
こんな日でも腹が減っている
冷蔵庫の中に寝そべるタッパー
プラスチックの匂いが鼻を突き
顔をしかめるが身体は正直だ
豚の生姜焼き 当たり前なのに
何故冷たいのかと思った自分に気付く
多分疲れている
いや当たり前なのに疲れてる
起床と同時に蹴られ潰れた布団
中身のない缶で膨れたゴミ袋
訳もわからずグーパンをお見舞いした
そのゴミ袋は似ていた
当たり前の事を言っているはずなのに
言葉の通じない宇宙人に見える
そんなウチの親戚に似ていた
それでも多分
まだ喜んだりするんだよ
まだ悲しんだりするんだよ
まだ笑えたりするんだよ
まだ泣けたりするんだよ
まだ眉間に皺寄せ悩むんだよ
また路頭に迷ってんだよ
またクソみたいな日々に行き着いて
なのにまだ生きてるんだよ
この生き物は
裂かれても痛めつけられても
ただ黙っているこの生肉は
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