愛しさを輸血していく

僕と君はテーブルを挟んで座ってる

僕は君に
拳銃を向けて引き金に指をかけている

君は僕を
見つめ僕が淹れたコーヒーを飲んでいる

ありがとう 飲み干してくれて
ありがとう 誰の声にも耳を貸さないでくれて

多分一生僕は君に銃口を向け続ける
それでもわざと引き金を引いたりはしない

僕がうたた寝をして幸せな夢を見る時
ふと間違って引いてしまうかもしれないけど

それでも君は決して、
錯乱して
僕をカトラリーで刺し殺したりしなかった

僕のコーヒーを怪しんだりしなかった
強く強く僕を見つめていた

だから僕が暴言吐いたり
恐喝したり
向けた拳銃をこめかみに当てたり

そんなことしなくたって君は言ってくれる
「愛してる」

僕と君はテーブルを挟んで座ってる
それだけで本当だって言える


23/09/27 17:19更新 / らりるれろ
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