残滓

消さないで
残滓を。
まだ、そこにあるのに
見捨てないで
その余韻を。
目に見えるものだけが
全てなんだというように
残響は
断ち切られる。

捨てられた残滓が
一つ一つ集まって
やがて巨大な
響きになり
轟音に、私たちは襲われる。
美しかったものは
やがて、肥大していくさだめ。

20/03/18 00:16更新 / らん
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