孤独な夜

目には見えないけれど
目の前にたくさん浮かんでいるのは
泡となり消える孤独。
掴もうとしたら手をすり抜けて
パチっとごく小さな音を立てて消えて
決して手に入れることはない。
日が経つことに、歳を取るごとに
孤独の数は増えていき
小さい頃吹いたあのシャボン玉のように
街の喧騒と静かな自室を埋め尽くす。
一度消えたらまた生まれて
生まれたらまた消えていく。
このままじゃいつ窒息するかもわからない状況だというのに
無限に埋め尽くされるシャボン玉をどうすることもできず
ただソファに座って未来に想いを馳せているだけの
10月秋深まる夜。

20/02/20 22:10更新 / らん
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c