夢の記憶
最近、よく夢を見る。
今日は、恐ろしく美しい海の夢を見た。
地平線全体が黄金色に激しく輝く、
まるで襲ってくるような迫力を持つ大海の上に
うねった高速道路が伸びる。
家族の車でただ走る。
海以外に見える景色は、遠くに茫々と生える草木と、白く丸っこい形をした、まるでお菓子の家みたいな木造の教会。
海は太陽光で、眩しいくらい金色と群青に輝いているのに、
車のガラス窓には土砂降りの雨が打つ。
見る夢はたいてい海だ。
青く広い海と、雨の降る島と、ホウキで空を飛べる魔法の森だ。森の中には白くて丸っこい形をした、お菓子の家みたいな教会がある。
何かに呼ばれているようだ。
夢幻の世界に呼ばれている。
帰る場所は夢の中にあるのだろうかと思ってしまう。
現実世界では、これ程美しい景色を
私はおそらく見ることがないのだろうと悟ると
かなしくなる。
でも、たとえ夢の中でも
あなたは死なないで。
でも、たとえ夢の中でも
私に人を殺させないで。
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